親の終活どうやって始めてもらう?

親の終活どうやって始めてもらう?

私は介護の仕事に長く携わっており、様々なご家族の終活のケースを見てきました。

親の終活をどう始めてもらうかは、多くのご家族が悩む問題です。

元気なうちから準備しておくことが大切ですが、いざ話を切り出そうとすると「まだ早い」「縁起でもない」と拒否されることも少なくありません。

そこで、私が実際に見てきた事例をもとに、「親に自然に終活を始めてもらう方法」をご紹介します。

目次

1. まずは自分が始めてみる

いきなり親に「終活をしよう」と言っても、抵抗されることが多いです。

そこでおすすめなのが、子ども世代が先に整理を始めること。

例えば、「もしものときに備えて、自分の大事な書類をまとめておいたよ」と話すと、親も「うちはどうなっているかな?」と意識しやすくなります。

また、親世代は「子どもに迷惑をかけたくない」という思いが強いことが多いため、「私が困らないように少しずつ整理してもらえると助かるな」と伝えるのも効果的です。

2. 「片付け」から入る

終活と聞くと、遺言やお金の話を思い浮かべる方が多いですが、まずは「片付け」から始めるとスムーズです。

特に、物が多いご家庭では「使わないものを整理する」ことが第一歩になります。

実際に、片付けを進めるうちに「自分の持ち物を見直すことができて良かった」と感じる方は多く、終活への意識が自然と高まります。

また、写真やアルバムを一緒に整理することで、「自分の歴史を振り返る」という楽しい時間にもなります。

これがきっかけで、エンディングノートの作成に進むケースも多いです。

3. エンディングノートを「未来の計画」として書く

「エンディングノートを書くといいですよ」と勧めても、拒否されることが少なくありません。

そんなときは、「未来の計画ノート」として考えてもらうのがおすすめです。

例えば、「これからの老後をどう過ごしたい?」という話題から入ると、前向きに考えやすくなります。

「旅行に行きたい」「孫ともっと遊びたい」など、明るい内容から始めることで、自然と「将来のことを考える場」になっていきます。

さらに、「もし介護が必要になったら、どんなふうにしてほしい?」と聞くことで、本人の希望を確認しやすくなります。

実際に、親の意向を早めに知っておくことで、いざというときに家族が迷わず対応できるケースが多いです。

4. お金の話は「心配だから教えて」と素直に聞く

終活の中で最も話しづらいのが「お金の話」。

しかし、いざというときに子どもが困らないよう、ある程度の情報共有は必要です。

「お金の管理を全部任せる」のではなく、「どこに何があるかだけ教えてもらう」という形にすると、親も受け入れやすくなります。

また、相続の話をする際には、「誰が何をもらうか」ではなく、「手続きをスムーズにするために整理しておきたい」という方向で伝えると、親も納得しやすいです。

5. 定期的に話題にする

一度終活の話をしても、すぐに進められるとは限りません。

だからこそ、普段の会話の中で少しずつ話題にすることが大切です。

例えば、テレビ番組やニュースで終活の話が出たときに、「そういえば、うちも少しずつ考えないとね」と自然に話すだけでも、親の意識は変わってきます。

また、親の友人や親戚が終活を始めた話をすると、「自分もやらないと」と思いやすいです。

実際に、「○○さんもやってるみたいだよ」と伝えたことで、親が前向きに取り組み始めたケースも多くあります。

6. 実際の事例から聞いた声

介護の現場では、親の終活に成功したケースと、進めることが難しかったケースの両方を目の当たりにしています。

【成功事例】

あるご家族では、息子が「まずは自分から始める」アプローチを取った結果、母親が徐々に終活に前向きになりました。

家族の一人は「最初は母が『どうせ私の番じゃない』と言っていたけれど、私たちが一緒に書類の整理を進めるうちに、『自分の歴史を振り返るいい機会だ』と感じ始めたと聞いています」と語っていました。

結果として、母親自身がエンディングノートを作成し、未来の計画について話すようになったのです。

【失敗事例】

一方、終活の話をいきなり切り出してしまい、親が強く拒否してしまったケースも存在します。

ある介護支援の現場では、「何度も『終活をしよう』と促しましたが、父は『そんな話は今は必要ない』と頑なに否定し、話が全く進まなかった。

その後、急な病気の発覚時に慌てることになり、家族全体で大きな混乱が生じた」との報告がありました。

これらの事例は、タイミングやアプローチの重要性を改めて示しています。

終わりに

親の終活は、子ども世代にとっても大切なことです。

いざというときに慌てずに済むように、少しずつ準備を進めることが理想的です。

ただ、無理に進めようとすると、親が拒否感を持ってしまうことも。

できるだけ自然な形で話題にしながら、親が自分で考えて動けるようにサポートすることが大切です。

多くの家族のケースを見てきた中で、一番大事だと感じるのは、「親の気持ちに寄り添いながら進めること」。

「親の終活、どうやって始めてもらう?」と悩んでいる方は、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてください。

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この記事を書いた人

フルタイムの福祉専門職のアラフォー。
沖縄で未就学児3人を育てています。
子どもとの沖縄お出かけ情報や、私が気になったエンタメ情報をお届けします。

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