少子高齢化が進む日本では、「親の介護」が多くの人にとって避けて通れない問題になっています。
実際に、親の介護をきっかけに仕事を辞めたり、転職を考えたりする人は少なくありません。
私自身もその一人でした。
親の介護が必要になったとき、それまでの仕事を続けることが難しくなり、思い切って転職を決意しました。
本記事では、親の介護を理由に転職を考える人に向けて、私の経験や学んだことをお伝えします。
親の介護が必要になった背景
私の母は70代後半になり、数年前から認知症の症状が出始めました。
最初は物忘れが増えただけでしたが、次第に日常生活に支障をきたすようになりました。
仕事と介護を両立しようと試みましたが、フルタイム勤務をしながら母の面倒を見るのは想像以上に大変でした。
会社の制度を活用して時短勤務を試みましたが、それでも十分な介護ができないと感じ、精神的にも肉体的にも限界を迎えました。
「家族が介護をするのが当たり前」という考えも根強く、周囲に相談することもためらわれました。
結果として、私は退職を決断し、転職を考えるようになりました。
介護職を選んだ理由
転職を考えたとき、最初に頭をよぎったのは「親の介護をしながら収入を得られる仕事」でした。
そこで、介護職が選択肢として浮かび上がりました。
1.介護の知識を身につけ、親の介護に役立てたい
介護の基礎知識や技術を学べば、親の介護にも応用できるのではないかと考えました。
実際、介護職に就いてからは、認知症ケアや食事・入浴介助などのスキルが身につき、母の介護にも大いに役立ちました。
2.需要が高く、未経験でも働きやすい
介護業界は人手不足が深刻であり、未経験者でも研修や資格取得をサポートする制度が充実しています。
私は介護職が未経験でしたが、「介護職員初任者研修」を受講し、基礎を学びながら仕事を始めることができました。
3.柔軟な働き方ができる
介護職はシフト制であるため、自分のライフスタイルに合わせて働くことが可能です。
私は母の介護を優先しながらも、パート勤務からスタートし、徐々に働く時間を増やしていきました。
介護職以外の転職の選択肢
介護職だけでなく、親の介護と両立しやすい仕事は他にもあります。
以下のような職種も選択肢として考えられます。
1.在宅ワーク・フリーランス
IT関連(ライター、デザイナー、エンジニアなど)やオンライン講師、データ入力の仕事は在宅でできるため、介護と両立しやすいです。
2.時短勤務が可能な企業への転職
近年、ワークライフバランスを重視する企業が増えています。
時短勤務制度が整っている会社に転職することで、介護と仕事を両立しやすくなります。
3.公務員・福祉関連の仕事
福祉関連の行政職や地域の支援センター職員などは、介護の知識を活かしながら安定した働き方が可能です。
4.シフト制の仕事(コンビニ・飲食店・コールセンターなど)
介護のスケジュールに合わせて働けるため、柔軟な勤務が可能です。
転職してからの実際の生活
転職後の生活は、以前の仕事とは大きく変わりました。
介護職として働くことで、体力的に大変な面もありますが、「誰かの役に立っている」という実感が大きく、やりがいを感じています。
一方、在宅ワークを選択した人からは「自宅で親を見ながら仕事ができるのが助かる」という声も多く聞かれます。
どの職業を選ぶかによって、生活の仕方も変わりますが、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
親の介護で転職を考えている方へ
親の介護が必要になったとき、多くの人が「今の仕事を続けるべきか、それとも転職すべきか」と悩むと思います。
私も同じように悩みましたが、最終的に転職は良い選択だったと感じています。
転職することで、
- 親の介護に必要な知識やスキルを身につけられる
- 柔軟な働き方ができる
- 社会とつながりを持ちながら仕事ができる といったメリットがあります。
もちろん、すべての人に介護職への転職が合っているわけではありません。
しかし、在宅ワークや時短勤務可能な職種を選ぶことで、仕事と介護を無理なく両立することが可能です。
まとめ
親の介護が必要になると、仕事との両立が大きな課題となります。
最初は時短勤務や介護休暇の活用を試みましたが、それでも限界を感じる場合は転職を視野に入れるのも一つの選択肢です。
転職には不安も伴いますが、介護職に就くことで親の介護にも役立つ知識やスキルを身につけられるというメリットがあります。
また、在宅ワークや時短勤務の仕事を選ぶことで、介護と仕事のバランスを取りやすくなる可能性もあります。
転職後の生活は大きく変わりますが、結果として介護と仕事の両立がしやすくなり、精神的な負担も軽減されることが多いです。
親の介護で悩んでいる方は、まずは今の働き方を見直し、どのような選択肢があるかを考えてみることが大切です。
親の介護と仕事の両立は簡単ではありませんが、自分に合った働き方を見つけることで、より充実した生活を送ることができるようになります。
最後までご覧いただきありがとうございました。