私は長年、介護の現場で働いてきましたが、「親の介護でお金が足りない」と悩む方々を多く見てきました。
介護には時間も体力も必要ですが、それ以上に経済的な負担が大きくのしかかることが問題となります。
介護のために仕事を辞めざるを得なかったり、パート勤務に切り替えたりして、収入が激減するケースも少なくありません。
また、介護サービスや医療費、生活費などが重なり、貯金を切り崩しながら生活する人も多くいます。
こうした状況の中で、少しでも生活を安定させるためには、公的支援や給付金制度をしっかりと理解し、活用することが重要です。
本記事では、生活保護をはじめとした経済的な支援策や、介護をしながら収入を確保する方法について詳しく解説します。
介護と生活を両立するために役立つ情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
親の介護でお金がない。生活保護もらう方法は？
親の介護が必要になったとき、精神的な負担だけでなく、経済的な負担も大きな問題になります。
仕事を続けながら介護をすることが難しくなり、収入が減ってしまう人も少なくありません。
「親の介護でお金がない」と悩む方のために、生活保護について詳しく解説します。
1. 生活保護を受ける条件と申請方法
生活保護は、最低限度の生活を保障するための制度です。
介護が理由で収入が不足している場合でも、一定の条件を満たせば生活保護を受けることができます。
生活保護の受給条件
- 資産（預貯金、不動産、車など）がない、または活用できない。
- 働くことが難しい、または働いても収入が最低生活費を下回る。
- 家族や親族からの援助が受けられない。
- 他の公的支援（年金や手当など）を活用しても生活が成り立たない。
生活保護の申請方法
- 市区町村の福祉事務所に相談
- 申請書類を提出（収入状況や生活状況を証明する書類が必要）
- 家庭訪問調査（ケースワーカーが生活状況を確認）
- 審査の結果を待つ（通常2週間〜1カ月程度）
- 支給開始（認定された場合、生活扶助や介護扶助が受けられる）
2.生活保護が受けられない場合の対策
生活保護の条件を満たしていない場合でも、他の公的支援や民間のサポートを活用することができます。
低所得者向けの支援制度
- 住居確保給付金：一定の条件を満たす低所得者に家賃補助を提供する制度。
- 自立支援金：生活困窮者が就労を目指す場合に支給される。
社会福祉協議会の貸付制度
- 生活福祉資金貸付制度：無利子または低金利で生活資金を借りられる。
- 緊急小口資金：急な支出に対応するための短期貸付。
民間団体の支援
地域のNPOやボランティア団体：生活支援を受けられる場合がある。
フードバンク：食料品の無料提供。
親の介護でお金がない。お金をもらう方法は？
親の介護をしていると、仕事を続けるのが難しくなったり、医療費や介護用品の負担が増えたりして、経済的に厳しくなることがあります。
しかし、公的な支援制度や活用できる方法を知っておけば、経済的な負担を軽減できます。
ここでは、介護に関する支援や収入を確保する方法を紹介します。
1.介護休業給付金を活用する
介護のために一時的に仕事を休まなければならない場合、「介護休業給付金」が利用できます。
これは、雇用保険に加入している人が要介護の家族を介護するために休業した際、給与の約67%が支給される制度です。
利用条件
- 要介護状態の家族を介護するために休業する
- 介護休業開始前の2年間に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある
支給期間
- 通算93日間まで
2. 介護保険サービスの助成を受ける
要介護認定を受けると、介護保険サービスが利用でき、自己負担が軽減されます。
介護サービスを利用することで、介護による時間的・経済的負担を減らせます。
対象となるサービス
- 訪問介護（ホームヘルパー）
- デイサービス
- ショートステイ（短期入所）
- 福祉用具の貸与・購入補助
- 住宅改修費の助成
3. 自治体の介護助成制度を確認する
自治体によっては、介護に関する経済的支援を独自に行っているところもあります。
主な助成制度の例
- 介護用品購入補助（おむつや介護ベッドの購入補助）
- タクシー券の配布（通院や買い物支援）
- 在宅介護支援手当（家で介護をする人に対する支援金）
4. 家族手当や介護手当を受け取る
勤務先によっては、介護に関する手当を支給する企業もあります。「介護手当」や「家族手当」があるかどうか、会社の就業規則を確認してみましょう。
また、企業によっては介護離職を防ぐための支援制度を設けている場合もあるため、人事担当者に相談するのも一つの方法です。
5. 親の年金や資産を活用する
親が年金を受給している場合、その年金を介護費用に充てることも可能です。また、親名義の貯金や不動産を有効活用することも考えられます。
具体的な方法
- 年金の活用（特に介護を受ける人が高齢者の場合、年金で介護費用をまかなえることもある）
- リバースモーゲージ（持ち家を担保にお金を借りる制度）
- 不用品の売却（不要な家財道具を売却し、資金に充てる）
6. 副業や在宅ワークで収入を得る
フルタイムで働くのが難しい場合でも、在宅でできる仕事や短時間の副業を活用することで収入を得ることができます。
おすすめの仕事例
- ライティングやデータ入力（クラウドソーシングサイトを活用）
- オンライン講師（特技や知識を活かして教える）
- アンケートモニターやポイントサイトの活用
7. 介護費用の減税制度を活用する
介護にかかる費用は、税制面での優遇措置が受けられることがあります。
主な制度
- 医療費控除（介護費用も対象になる場合がある）
- 障害者控除（親が一定の障害を持っている場合、所得税の控除が受けられる）
- 扶養控除（親を扶養している場合、所得控除が受けられる）
まとめ
親の介護によって経済的に困窮することは珍しくありません。しかし、公的支援や給付金制度を活用することで、生活の負担を軽減することができます。
また、在宅でできる仕事や介護関連の仕事をすることで、少しでも収入を増やす工夫も大切です。
まずは、市区町村の福祉窓口や社会福祉協議会に相談し、自分が利用できる支援制度を確認してみましょう。
適切な支援を受けながら、無理のない形で介護と生活を両立することが大切です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
