子育て支援の現場で活躍できる「子育て支援員」という資格をご存じですか?
保育士資格がなくても、短期間の研修を受けることで保育補助や子育て支援の仕事に携われるため、子どもが好きな方や地域貢献に興味がある方に人気の資格です。
特に、未経験から保育業界へチャレンジしたい方や、子育て経験を活かしたい方におすすめ!
今回は、子育て支援員の資格取得方法や働き方、キャリアアップの可能性について詳しく解説します。
資格取得の流れ
- 研修の申し込み:各都道府県や市町村が実施する研修に申し込みます。
- 基本研修の受講:全員共通の科目である「基本研修」を受講します。この研修では、子ども・子育て家庭の現状、子どもの発達、保育の原理など、子育て支援の基礎的な知識を学びます。所要時間は8時間です。ただし、保育士や幼稚園教諭などの資格を持つ方は、この基本研修が免除される場合があります。
- 専門研修の受講:希望する分野に応じて、以下の4つのコースから専門研修を選択し受講します。
- 地域保育コース:小規模保育や家庭的保育、一時預かり事業などに関する研修。所要時間は15時間程度です。
- 地域子育て支援コース:地域子育て支援拠点事業や子育てサロンなどに関する研修。所要時間は24時間程度です。
- 放課後児童コース:放課後児童クラブ(学童保育)に関する研修。所要時間は9時間程度です。
- 社会的養護コース:児童養護施設や里親支援などに関する研修。所要時間は11時間程度です。
- 修了証書の取得:全ての研修を修了すると、修了証書が発行され、子育て支援員として認定されます。
注意点
- 研修の実施時期や申し込み方法は、各自治体によって異なります。最新の情報を得るために、お住まいの自治体の公式ウェブサイトや担当窓口で詳細を確認することをおすすめします。
子育て支援員の活躍の場
子育て支援員の資格を取得すると、以下のような施設や事業で働くことができます。
- 小規模保育施設・家庭的保育事業
- 0〜2歳児を対象とした少人数制の保育施設での保育補助。
- 家庭的な環境の中で、子どもの世話や遊びの提供を行う。
- 地域子育て支援拠点(子育てひろば)
- 親子が気軽に集まれる場所で、子育て相談やイベントの運営をサポート。
- 子育て中の親の悩みを聞いたり、情報提供を行う。
- 一時預かり事業
- 一時的に子どもを預かる施設で、保護者の急な用事や仕事などをサポート。
- 短時間保育の補助業務を担当する。
- 放課後児童クラブ(学童保育)
- 小学生を対象に、放課後や長期休暇中の居場所づくりを担当。
- 宿題のサポートや遊びの提供、安全管理を行う。
- 社会的養護施設・里親支援
- 児童養護施設や里親家庭の支援を行い、子どもの生活をサポート。
- 施設職員の補助として、食事や遊び、生活指導を手伝う。
子育て支援員の仕事のやりがい
- 子どもと直接関わることができるため、成長を見守る喜びがある。
- 子育て中の親のサポートを通じて、社会貢献ができる。
- 比較的短期間の研修で資格を取得できるため、未経験者でも挑戦しやすい。
子育て支援員の給与・待遇
- 給与相場:時給1,000円〜1,500円程度(地域や施設により異なる)。
- 雇用形態:パート・アルバイトが多いが、正社員募集もあり。
- 勤務時間:フルタイムや短時間勤務など、柔軟な働き方が可能。
子育て支援員の資格取得後にできるキャリアアップ
子育て支援員の資格を取得した後、さらにスキルアップやキャリアアップを目指すことも可能です。以下のような資格や職種へとステップアップできます。
① 保育士資格の取得
子育て支援員から保育士を目指すメリット
- 子育て支援員として働きながら保育の現場経験を積める。
- 保育士試験の受験資格を満たすための勉強をしやすい。
- 保育士資格を取得すると、勤務先の選択肢が広がり、給与や待遇が向上する。
保育士資格の取得方法
- 保育士試験を受験する(実務経験が不要な場合)
- 高卒以上であれば、国家試験を受けて資格取得が可能。
- 試験科目は全9科目(筆記試験)+実技試験(選択制)。
- 独学・通信講座・専門学校などで学ぶことができる。
- 保育士養成校(専門学校・短大・大学)で学ぶ
- 2年以上の課程を修了すると、無試験で保育士資格を取得可能。
② 幼稚園教諭の資格取得
幼稚園教諭とは?
- 文部科学省が管轄する「幼稚園」の先生として働ける資格。
- 保育士資格とは異なり、3歳~5歳児を対象に教育を行う職種。
- 短大・大学で必要な単位を取得し、免許を得ることが必要。
③ ベビーシッター・病児保育士になる
ベビーシッターの特徴
- 資格がなくても働けるが、民間の「ベビーシッター資格」を取得すると信頼度が上がる。
- 自宅や訪問型の保育ができ、自由な働き方が可能。
病児保育士の特徴
- 風邪や体調不良の子どもを預かる専門的な保育。
- 保育士資格があると有利だが、子育て支援員の経験も役立つ。
④ 子育て支援のコーディネーターや相談員
子育て支援コーディネーターとは?
- 地域の子育て施設や支援サービスをつなぐ役割を持つ。
- 保護者の悩み相談や支援を必要とする家庭への情報提供を行う。
どうすればなれる?
- 各自治体で募集があるため、求人情報をこまめにチェックする。
- 子育て支援員の経験を活かし、研修や資格を追加で取得すると有利。
⑤ 放課後児童支援員(学童保育指導員)
放課後児童支援員とは?
- 小学生を対象とした学童保育の指導員。
- 子どもたちの遊びや学習をサポートし、安心して過ごせる環境を作る。
なるためのステップ
- 「放課後児童支援員認定資格研修」を受講し、資格を取得。
- 子育て支援員の放課後児童コースを修了していると、仕事に活かしやすい。
子育て支援員として働く際のポイントと注意点
子育て支援員として実際に働く際には、仕事の内容や職場の環境をよく理解し、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
ここでは、子育て支援員として働く際のポイントや注意点を紹介します。
① 自治体によって研修内容や働き方が異なる
注意点
- 子育て支援員の研修や就職先の確保は、各都道府県や市区町村によって異なります。
- 一部の自治体では研修後に就職支援があるが、必ずしも求人が保証されるわけではない。
- 自分が住んでいる地域の自治体のホームページを確認し、研修の申し込みや求人情報をチェックすることが重要。
対策
- 近隣の自治体の研修情報も確認し、選択肢を広げる。
- 研修を修了したら、ハローワークや福祉関連の求人サイトを活用して職場を探す。
② 職場によって求められるスキルが異なる
子育て支援員の主な業務内容
- 保育補助:保育士のサポートとして食事・遊び・お昼寝の見守り。
- 子育て相談:子育てひろばなどで親の相談に対応し、情報提供を行う。
- 学童保育:小学生の遊びの指導や宿題のサポート。
注意点
- 子どもと関わるだけでなく、保護者や地域の人々とのコミュニケーションも重要。
- 施設によっては事務作業や掃除などの雑務も含まれる。
- 体力が必要な仕事が多いため、無理のない範囲で働き方を選ぶ。
③ 働き方を選ぶ際のポイント
子育て支援員の資格を活かす働き方には、以下のような選択肢があります。
働き方 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
パート・アルバイト | 勤務時間が短く、家事・育児と両立しやすい | 子育て中の方、副業で働きたい方 |
契約社員 | フルタイムに近いが、正社員より勤務時間の融通がききやすい | 安定して働きたいが、柔軟な勤務を希望する方 |
正社員 | 福利厚生が充実し、長期的に働ける | 安定した収入を求める方、キャリアアップを目指す方 |
フリーランス(ベビーシッターなど) | 自由な働き方ができるが、収入が不安定 | 自分のペースで働きたい方、経験を積んで独立したい方 |
④ 子育て支援員として働くメリット
✅ 未経験でも始めやすい:短期間の研修で資格取得が可能。
✅ 家庭との両立がしやすい:パートや短時間勤務の求人が多い。
✅ 地域貢献ができる:子どもや親を支え、社会に貢献できる。
✅ キャリアアップが可能:保育士や学童指導員などへステップアップできる。
⑤ 仕事の大変な部分(デメリット)と対策
❌ 体力が必要:子どもと遊ぶ、抱っこするなどの業務が多い。
➡ 対策:自分の体力に合った勤務時間を選び、無理のない範囲で働く。
❌ 給与が低めのことがある:パートやアルバイトの給与は比較的低い傾向。
➡ 対策:経験を積んで正社員を目指す、保育士資格を取得するなどキャリアアップを考える。
❌ 人間関係が重要:保護者や他のスタッフとの関係が難しい場合もある。
➡ 対策:研修や職場の雰囲気を事前にチェックし、働きやすい環境を選ぶ。
まとめ
子育て支援員は、比較的短期間で資格を取得でき、子どもと関わる仕事に就くチャンスを広げてくれる魅力的な資格です。
働き方の選択肢も多く、自分のライフスタイルに合わせたキャリアを築くことができます。
また、経験を積んで保育士や放課後児童支援員などへステップアップする道もあります。
子どもたちの成長を支え、地域の子育て家庭をサポートするやりがいのある仕事に、あなたもチャレンジしてみませんか?