近年、「終活」という言葉が広まり、多くの方が自分の人生の終わりに向けた準備を始めるようになりました。
その中でも、「終活ノート」は大切な存在です。
しかし、似たような言葉として「エンディングノート」というものもあります。
この二つにはどのような違いがあるのでしょうか?
また、終活ノートの書き方や入手方法、無料で作成する方法についても詳しくご紹介します。
終活ノートとは?
終活ノートとは、自分の人生の振り返りや今後の希望、身の回りの情報をまとめるノートのことです。
自分の大切な情報を整理し、家族や周囲の人に伝えやすくする目的で作られます。
例えば、以下のような内容を記載します。
- 個人情報(氏名、生年月日、住所、連絡先など)
- 家族構成(親族の連絡先、関係性)
- 財産状況(銀行口座、証券、不動産など)
- 保険情報(生命保険、医療保険の内容)
- 医療や介護の希望(延命治療の有無、介護施設の希望)
- 葬儀やお墓の希望(どのような葬儀を望むか、お墓の種類など)
- 大切な人へのメッセージ(感謝の気持ち、遺言ではないが伝えたいこと)
エンディングノートとは?
エンディングノートとは、主に「死後の手続き」に関する情報を整理するノートのことです。
遺族がスムーズに手続きを行えるように、自分の財産や契約情報、葬儀の詳細などを記載します。
エンディングノートに記載する内容の例:
- 財産・資産情報
- 銀行口座(銀行名、支店名、口座番号)
- クレジットカード情報(カード会社、番号、引き落とし口座)
- 証券・投資信託の情報
- 不動産情報(所有している土地や建物の詳細)
- 保険・年金情報
- 生命保険(契約会社、契約者、受取人)
- 医療保険の詳細
- 年金受給情報(受給額、振込口座)
- 契約しているサービス・会員情報
- スマホ・インターネットの契約(解約が必要な場合)
- 定期購読やサブスクリプションサービス(Netflix、Amazonプライムなど)
- SNSやメールアカウント(削除の要否やログイン情報)
- 医療・介護の希望
- 延命治療を希望するかどうか
- 尊厳死を望むか
- 介護施設に入る希望や自宅介護の希望
- 葬儀・お墓の希望
- 葬儀の形式(家族葬、一般葬、直葬など)
- 遺影に使いたい写真の指定
- お墓の種類(永代供養、納骨堂、散骨など)
- 遺族へのメッセージ
- 家族や親しい人への感謝の言葉
- 思い出や伝えたいこと
- 遺言に書くほどではないが、伝えておきたいお願い事
終活ノートとエンディングノートとの違い
「終活ノート」と「エンディングノート」は非常に似ていますが、以下のような違いがあります。
項目 | 終活ノート | エンディングノート |
---|---|---|
目的 | 終活全般の整理 | 死後の手続きに特化 |
内容 | 現在の生活や希望を記載 | 財産管理や遺言に近い内容 |
法的効力 | なし | なし(ただし、公正証書遺言と組み合わせることも可能) |
つまり、終活ノートは「これからの人生を考える」ためのノートであり、エンディングノートは「亡くなった後の準備を整える」ためのものというイメージです。
終活ノートの書き方
終活ノートは決まりごとはなく、自由に書いて大丈夫です。
終活ノートを書く際は、以下の手順を参考にするとスムーズです。
1. 書く目的を明確にする
終活ノートは、残される家族の負担を減らすためのものです。
「どんな情報を残せば家族が困らないか」を意識して書き始めましょう。
2. 必要な情報を整理する
全てを一度に書こうとせず、まずは必要な情報をリストアップします。
上記の「記載する内容の例」を参考に、自分が持っている財産や契約情報を整理しましょう。
3. 簡単なことから書き始める
最初から財産や葬儀のことを書くのが難しい場合は、自分のプロフィールや趣味、大切な人へのメッセージなど、書きやすい項目から始めてみましょう。
4. 見やすく整理する
手書きの場合は、箇条書きにするなどして、後から見返しやすいように書くことが大切です。
また、デジタルで作成する場合は、フォルダごとに整理するのも良い方法です。
5. 定期的に更新する
人生の状況や考え方は変わるものです。
一度書いたら終わりではなく、定期的に見直して最新の情報に更新することをおすすめします。
終活ノートはどこで売っている?
終活ノートは、以下の場所で購入できます。
- 書店(大型書店や専門書コーナー)
- 文房具店(手帳やノートコーナーにあることも)
- ネット通販(Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなど)
- 100円ショップ(簡易的なものが販売されていることも)
価格は数百円から数千円までさまざまです。自分に合ったものを選びましょう。
終活ノートは無料で作れる?
はい、終活ノートは無料で作成できます。以下の方法を試してみてください。
1. 市販のノートを活用する
普通のノートを使って、自分で必要な項目をリストアップし、記入していけば、無料で終活ノートを作成できます。
2. 無料テンプレートを活用する
インターネット上には、無料でダウンロードできる終活ノートのテンプレートが多くあります。
PDFやWord形式で提供されているものが多いので、自宅で印刷して使うことができます。
3. スマホやパソコンで作成する
紙のノートにこだわらず、スマホやパソコンでデジタル版を作るのも一つの方法です。
GoogleドキュメントやEvernoteなどのクラウドサービスを活用すると、どこからでも編集・管理ができます。
まとめ
終活ノートは、人生の整理をし、大切な人に自分の想いを伝えるための大切なツールです。
エンディングノートと混同しがちですが、終活ノートは「これからの人生」に焦点を当てている点が特徴です。
終活ノートは市販品を購入することもできますし、無料のテンプレートを利用して自作することも可能です。
まずは気軽に書き始めてみて、少しずつ自分らしい終活ノートを完成させていきましょう。